はじめに
お掃除を生業として30年以上経つ私がこんなことを言うのも何ですが…。
お掃除のやり方って一つだけでは無いんですよね。「これが正解!」っていうのも無ければ、「これしかやってはいけない。」っていうのも無いと思うのです。好きな素材(洗剤や道具)を使って満足いく仕上がりに持っていければ、それがその方の正解でありベストだと思うのです。
で、その方法を選択する上に於いては、「あなたは何を重要視したいのですか?」という物差しだけは自分独自の価値観を明確にしておけばよろしいのではないかと思います。
このシャボン玉せっけんさんのコミュニティに集まってらっしゃる方々は「環境に優しい」「体に優しい」ということを重要視されているのではないかと感じています。
私のお客様にもアレルギーを持たれている方がいらっしゃいますので、そういうお客様宅を手掛ける際は必然的にナチュラルクリーニングの素材を活用したアプローチを考えて作業するのですが、素材が限定されるがゆえに手順や素材の性質を踏まえた使い方をしないと効果が半減どころか全く成果が出ないということになってしまうんです…。
使う素材は単純ですが、使い方は非常に難しいというのがナチュラルクリーニングだと言っても過言ではないかと私は思ってます。
世には既に数多くのナチュラルクリーニングの方法が説かれております。それらがピタッと御自身にフィットするなら、それがベストです。ただもう少し綺麗にならないかな…とか、もっと効率の良い方法は無いのか…とかの問題意識をお持ちの方に於かれては、私の過去1万件以上の現場体験が何かのお役に立つかもしれません。
まぁ、そんな感じで肩の力を抜いて読み流して頂ければ幸いでございます。
ナチュラルクリーニング最大の壁
ナチュラルクリーニングに於けるお風呂掃除の手順をザクッと説明したいと思います。
が、その前に…、そもそもナチュラルクリーニングに於ける水回りのお掃除には大きなハードルがございます。それは「酸と合わせられる界面活性剤が存在しない。」ということなんです。
合成界面活性剤を使用しても良いならば、それこそいくらでも選択肢はありまして、水垢(スケール)の種類によってそれぞれに効果のある酸に相性の良い合成界面活性剤を混ぜてあげれば、第一工程の「酸に依る頑固な汚れの破壊および乳化、ならびに汚れの一部除去」というところまで到達できます。
しかしながら、ナチュラルクリーニングに於いて許されている界面活性剤は「石けん」のみになります。
皆様もよくよく御承知の通り石けんはアルカリ性です。クエン酸は酸性です。この二つを混ぜるとどうなるか…。
はい、そうですね。中和してどちらも本来の効果を発揮できなくなるんです。
これがナチュラルクリーニングの難しいところでして、テレビコマーシャルでやっているように「シュシュっとスプレーして後は擦らず流すだけ」という芸当は天地がひっくり返っても無理なことなんです。あれは石油由来の合成界面活性剤を多量に配合しているがゆえに上記で示した「酸に依る頑固な汚れの破壊および乳化、ならびに汚れの一部除去」という工程をひと手間だけで終わらせているのですね…。
これをナチュラルクリーニングで為すには、
1 クエン酸で汚れの表面を破壊する
2 酸素系漂白剤にて残った汚れを乳化させる(同時に酸性に傾いていた物をアルカリ性に引き戻す)
という二工程が必要になってきます。いかにも面倒くさいですよね…、でも逆に言えばこの二工程さえ手掛ければ合成界面活性剤バリバリの洗剤使用と近いところまで持っていけるんです。
そして、その後にみんな大好きシャボン玉スノールでジャブジャブ洗ってあげれば石鹸カスでドロドロのバスルームも新品の輝きを取り戻せるんですね。

こんな感じのお風呂が…、

このようにサッパリと仕上がるんです。
お風呂掃除の手順
1 粗掃除
最初は水とネットスポンジのみで除去できる汚れを洗い流します。
2 クエン酸+EMリンスを塗布
全体にクエン酸+EMリンス溶液を塗布します。2~3時間放置します。(時間が長ければ長いほど汚れは脆くなります。夕方に塗布して一晩おいても事故はありません。今のところ…。)
クエン酸を塗布して長時間置くと水垢がより硬くなってしまうという情報もありますが、今のところ私はそのような事故が起きたことはありません。安心して漬けおきしてください。
3 ネットスポンジで洗い流す
ネットスポンジで優しく全体を洗い流す。この段階では汚れの表面を破壊しただけなので、汚れの全てを除去することは出来ません。残った汚れはこの後の2工程で完全除去出来ますので、この段階では表面のクエン酸を洗い流すのと、脆くなって直ぐ取れる汚れだけをザッと洗い流す気持ちで気軽に洗ってください。
4 酸素系漂白剤を塗布する
40~50度のぬるま湯に酸素系漂白剤を溶いて全体に塗りたくってください。濃度はお湯1Lに対して大さじ1杯(15g)くらいで良いかと思います。そして最低1時間ほど置いてください。
これはキッチン掃除でも同じなのですが、酸素系漂白剤は漬けおき時間が最大のポイントとなります。2~3時間置いといても大丈夫です。漬けおき時に乾いてしまっても問題ありません。
5 ネットスポンジで洗い流す
先ほどクエン酸を洗い流した時と違って、湯垢がバンバン取れていくのを実感できるかと思います。それでも厚くなっている箇所や凸凹した床やドアのアクリル板などは取り切れないと思います。それらに関しては次の工程で除去出来ますのでクエン酸の時と同じくサッと擦って落ちるものだけを洗い流してください。
6 シャボン玉スノールを塗布
最後にシャボン玉スノールを塗って擦っていきます。濃度は液体のスノールであれば3倍くらいに薄めて、粉のスノールであれば10倍くらいで大丈夫ではないかと思います。それらを一度塗りたくって、後に再度ネットスポンジにスノールを含ませながらゴシゴシと擦ってみてください。そして洗い流す…。
これで石鹸カスが固まった汚れの殆どは取れているはずです。
それ以外の仕上げ作業
以上の工程はマグネシウムスケール(金属石鹸)というものを除去する方法でした。お風呂にはそれ以外のスケール(水栓金具等に付くカルシウムスケール、白い石みたいのですね。)や鏡に頑固に付着するシリカスケール(鏡のモヤモヤとした白い水垢です)、床やドアのアクリル板の凹み部分に強力に付着した水垢などもございます。
これらを落とすにはまた違ったアプローチが必要になっていきますので、それは追ってお伝えいたします。
とりあえずは一般のご家庭で一番付着するマグネシウムスケールの除去をやってみるとお風呂のお掃除が楽しくなってくると思いますよ。
次回はこのアプローチを手っ取り早く理解するためにお風呂の椅子や洗面器で試した記事をアップしてみたいと思います。
注意
上記で使用するクエン酸も酸素系漂白剤もスノールもかなり濃度が高くなっています。作業時は必ずゴム手袋をして作業するようにして下さい。
それではまた…。
ミュートしたユーザーの投稿です。
投稿を表示とても勉強になりました!
EMリンスは購入していませんが、色々参考にさせて頂きたいと思います。
ありがとうございました✨